このイベントは、⽇本の介護業界とベトナムの学⽣をつなぐ新たな試みとなりました。学⽣に対して⽇本の介護の実態を解説し、将来日本での就労イメージを醸成することを意図するイベントを開催しました。今般のイベントには、日本から⾃治体・社会福祉法⼈・医療法⼈・学校法⼈・株式会社など、多数参加されました。

 

● 実施要項

【⽇程】

2024年3⽉25⽇~27⽇

【場所(ベトナム)】

・ホーチミン市 国⽴ナムサイゴン⼯科短期⼤学

・フエ市 フエ医療短期⼤学

・ダナン市 ダナンフォンドン短期⼤学

【参加者(ベトナム)】

・ホーチミン市(医療省・労働省・保健省・教育省関係者・ホーチミン市内の病院関係者)

・国⽴ナムサイゴン⼯科短期⼤学 看護学科学⽣・⽇本語学科学⽣・他

・フエ医療短期⼤学 看護学科学⽣

【出展企業・法⼈(⽇本)】

・北海道東川町(学校法人北工学園 旭川福祉専門学校)

・社会福祉法⼈あさか会

・社会福祉法⼈南の⾵

・医療法⼈豊医会

・⼤阪キリスト教短期⼤学

・さくら総合専⾨学校

・株式会社Merx

【協⼒】

株式会社エタンセル

 

●シンポジウム『⽇本における⼈材不⾜が深刻化する中、⽇本の⾃治体や企業がどのような対策を講じ、今後の組織運営を実施するのかという「課題と対策」』(会場:国⽴ナムサイゴン⼯科短期⼤学)

 

ベトナム国ホーチミン市、国⽴ナムサイゴン⼯科短期⼤学は優秀な⼈材を育成し、国内のみならず国外の経済や社会の発展を担う国⽴短期⼤学です。

今般のシンポジウムは、国⽴ナムサイゴン⼯科短期⼤学と共同開催いたしました。

⽇本からの参加企業はテーマに沿ったプレゼンテーションを⾏いました。ベトナム ホーチミン市の医療省・労働省・保健省・教育省からの質疑応答時間では、⽇本の介護業界の実情や⼈材不⾜に対し、具体的にどのような対策を講じるか等の多くの情報を発信でき、⽇本の介護について共有できました。

シンポジウム終了後には参加企業による介護実演を⾏い、スライディングシートや⾃助具(⽫、スプーン)、とろみ剤を⽤いて⽇本の介護現場を再現しました。

ベトナムには⽇本の福祉⽤具が無いため、強い興味を持っていただきました。終盤では実際にベトナムの職員様にスライディングシートを⽤いた移乗を実施いただき、実際に⽇本の介護について体験いただきました。

 

 

●キャリアイベント「〜ベトナム学生と日本企業・自治体との交流〜」(会場:国⽴ナムサイゴン⼯科短期⼤学・フエ医療短期⼤学・ダナンフォンドン短期⼤学)

翌⽇は、キャリアイベントを開催し、200⼈の学生に参加していただきました。

参加企業からは、働く内容や組織の雰囲気、先輩と後輩とのコミュニケーション、日本就労における査定や考課などの処遇、近未来のキャリア、⼈材育成スキームについてご説明いただきました。

説明会では、質疑応答時間を設け、参加企業は学⽣の疑問点や関⼼点に対し丁寧に回答されました。

 

 

●日本の介護業界における就学就労セミナー(会場:フエ医療短期⼤学)

⽇本からの参加企業は、在学中の150⼈の学⽣に対し、各企業で就労する際の具体的な待遇や、働き⽅などについてのプレゼンテーションを⾏いました。学⽣の中には、今すぐ企業のプログラムに参加したい旨を伝える学⽣も多く、参加した企業関係者は、驚きを隠せませんでした。

「今般の企画では、企業と学⽣との意⾒交換の場も多く設定され、学⽣にとっては、将来のキャリア選択に役⽴つ情報を提供できました。」と、各大学の関係者から喜びの声をいただきました。また、留学希望者へは、留学時の注意点や、寮生活、通学などについての詳細な情報を提供しました。

 

 

●出展企業・法⼈様の声

社会福祉法人 あさか会 参加者様より

「高齢介護事業において、外国人採用に取り組もうとしています。実際に現地を訪問して、どのような人材が必要かを把握するために今回のツアーに参加しました。ベトナムで会った学生の皆さんは、具体的に日本で働くことを決めている方々もいらっしゃったため、当法人としては、雇用する人材のレベルに最も近い方々と感じ、具体的なイメージを持つことができました。これから外国人採用を始める我々としては、学生の様子や表情、文化に触れることができただけでも、参加した意義を感じています。」

 

⼤阪キリスト教短期⼤学 参加者様より

「過去にベトナムで看護師を募集したことがありましたが、全く集まらず。今回のベトナムの⼤学内でのキャリアイベントを通して、今まで発掘できなかった⼈材が⽬の前に多くいたことに驚きました。また、今回のツアーに参加して、ベトナムの学⽣の思いや、ベトナムを更に深く知ることができ、またベトナムの企業様や学校様とも交流することができ、本学にも是⾮ベトナムの学⽣を受け⼊れたいと思っております。今般の企画で訪問した学校様や、⽇本の企業様とも良い関係づくりができたので、今後のビジネスがとても楽しみです。」

 

株式会社Merx(メルクス) 参加者様より

「弊社は福祉施設などでの給食業務を請け負っています。今回は、日本の給食業界における人員不足解決の糸口になればと思い、参加しました。ベトナムでの学生交流会では、様々な考えを持った学生が多く、また、日本に興味がある学生が多くいることに喜びを感じました。ベトナムでは、学生の就職活動が卒業後だと知り、驚きました。また、日本への就労には、金銭的な支援が不可欠で、今後どのような支援が弊社として可能か検討が必要だと感じました。ベトナムでも想定されている高齢化にあたって、まだ栄養や介護食の認知が低いようでしたので、次回参加の際には調理の実演等もできればと思いました。」

 

 

今般の企画では、ベトナムで在学中の学生と、日本の企業・法人が直接コミュニケーションが図れる場を設定いたしました。外国人材採用を進めるにあたって、まずはその国を知っていただくところがスタートであると私たちは考えます。

ベトナムの学生たちはどんな就学環境で、どんな将来イメージを抱こうとしているのか?実際に、その国を訪問し、文化や風土を具体的に体験することが相互理解につながると信じています。

弊社は、今後もこのようなイベントを通じて、社会課題の解決に貢献していきたいと考えています。